社会人生活が今年で何年目に入るか分からなくなるほどの年頃となってきましたが、
今頃になって大前研一氏の書をはじめて読んでみました。
これまで読む機会が全くなかったわけではないのですが、何でだろう、いずれにしても初めてです。で、読んでみた本は「大チャンス到来!ビジネス力の磨き方」(PHP)という第一版2007年5月のもの。
大前研一氏って、案外、人間くさい方だったのですね。(←失礼!)
いわゆる世界中のリーダーと文字どおり世界を渡り歩く日本人ってなんとなく人間的なニオイとか全くしなそう!と勝手に思っていたのですが(だからこれまで著書を読んでこなかったのかもしれませんが)いやいや!何か一挙に親しみが湧いてもっと読んでみようかしらなんて思ってしまいました。
って、どんなところに人間くささを感じたかというと、随所、随所でそう感じるのですが、その文の言い回しもその1つでなのでしょうか。これまで国際ビジネスと無縁だった、実は外国の人にも出会った事がない人にも分かりやすいその言い回しというか、文の構成なども親しみやすくそう感じるのかも。
メディアで取り上げられる人の中には、聞いた事もないような単語や専門用語をポンポン、ポンポン入れて「どうでもいいけど何言ってるか分かんないし、そもそも、あたなちょっと自分に酔い過ぎじゃないんですかぁ~?」とリスナーや読者に思われちゃう人も多いと思うのですが、この本に至っては全くそんな事はなく、あっという間に読めてそれでいて「ああ、不景気だの、政治が駄目だのそんなのんきな事言ってる場合じゃないんだ。」ということを個人レベルに感じさせてくれるというか。
そうそう、もう1つ。
P139からの「不遇であることがエネルギーを生み出す」の「もし、私の人生が生まれたときから順風漫歩だったら、いまこの場所にいることはなかったろう。」の後に
大前氏の過去が書かれているのですが、普通ね「少年時は豆電球の中で勉強した人だったのかしら」とか想像するじゃないですか。
それが、それが!
「少々こそばゆいが思い切って話そう。私は、中学2年から大学を卒業するまでの8年間、ずっと1人の女性を思い続けていた。」となるわけです。。。
この本を読みながら多くの人がやるであろう「大前研一、英語」と動画を検索してみるといろいろヒットするのですね。
そのうちのいくつかを見てみると「すごい流暢」とか「日本人じゃないみたい」というコメントが多い中で「こういう英語を話すんだ」という見方によると「皮肉か?」というコメントが1つあったのですね。そのコメント主がどういう気持ちでコメントしたかは知る由もないのですが、でも「ああ、人間的なんだ。ああ、こういう英語を話すんだ。」って初めて見たとき私もまさにそう思ったのです。
折角ですので、内容について少し。
2007年の出版から既に4年の月日が流れているので、その辺りは時差を含めて読み進めるといいと思うのですが、私自身が一番「へぇ~」と思ったのは終章「いまなぜビジネス力なのか」の中の「農業のプロジェッショルになれ」「ハングリーな人間にこそチャンスがある」の部分で、現在の数字とは異なる部分もあるとは思うのですが、それでも驚きの事実でした。地形的に山有り谷有りの日本とオーストラリアやウクライナ辺りの農業のやり方を簡単に比較できるものであるとは思いませんが、でも日本で農業に携わる全ての人が1度は読んでみるべき本ではないでしょうか。
あ、ビジネスパーソンももちろんですが。
そんなこんなで、ちょっと読んでみようかなと思ったら香港在住の皆さまは香港日本人倶楽部で貸し出し中です。