この1年ほど、家飲み時には「knight」というビールをこよなく愛し、飲んでいた。
青い缶に「Export quality」「Knight」と書かれている広東語で言う所の「騎士」というビール。
朝、ウォーキングから戻る時、自宅下にある街市(market)の中のストアーでHK$10分を買ってくるというのが習慣だった。3ヶ月ほど前だろうか、ストアーのおばちゃんが申し訳なさそうに「騎士、値上がっちゃってねぇ~HK$11だよ」と言いながらいつものように袋に4本入れてくれた。値上がってからも、「まぁ、何でも値上がってるからねぇ、しかたないよぉ~」と言いながら、変わらず飲んでいた。先週までは。
ある日、いつもの様に一運動終えてストアーに立ち寄ると、おばちゃん今度は、ちょっと興奮気味に「ない、ない、ないよ、ない。パークンとの独占販売契約にサインしたんだってさ!ICEにするかい?値段、同じ」
その日からまた、かつて夏の家飲み時に活躍していたICEビールが我が家に戻ってきた。
さて、さて。
この1年、我が家がこよなく愛した「knight 」ビール。私が愛したのはknightの味ではなく、ガンガンに冷えたビールが4本でHK$10(110円)ほどという、そのとてつもないお買い得感と、私の姿が見えるとだまってビールを袋に入れて準備をしてくれ、その買い物に5秒と費やさなくていい、このストアーでの買い物の心地良さ。
では、今回、独占販売契約を取ったらしいパークンが自宅近くにないのかといったらそうではなく、これまた自宅下にある。
しかし「スーパーマーケットの中にわざわざ足を踏み入れ、自分で手を伸ばしてビールをとり、レジに並んでお金を払う」という一連の行動を私に取らせるほどknightが今の私にとって魅力的かといったら、そうでもない。
実際、パークンが本当に独占販売契約をとって、他のストアやショップからもknightが無くなったのかどうなのか調べてみよう!と思うほど、別に愛してはいないのだ。だから、その話が本当なのか、どうかも未確認。ごめんね、knight。
別に嫌いってわけではないのよ。
ただねぇ~、同じような立地に、同じような値段で、そこそこ飲めるビールが、ガンガンに冷えた状態で、5秒も費やさず買える場所があるのなら、その方がいいなぁ~と思う。
こんな形でknightビールは我が家の冷蔵庫からその姿を消したのでありますが、彼らがこの先どんな形でビジネスを広げてゆこうとしているのか、地味に見学してみたいと思います。