血は争えぬ。
簡単なトップスから分厚い真冬用のコートまで
洋服はどんな物でもササッと作った、かかさま。
その姿をごくごく間近で見ていたせいか、何やら最近、
みよぉ~に何かを手作りしたい気持ちに駆られDIY本などを買ってみた。
香港で買う日本の本は決して安くない。
本を買う前にどんな本が初心者にも優しそうかチョッと調べてみたりして。
鼻歌まじりに「どの服作ろうかしらぁ~」と、入手してきた本を
さっそくめくってみたものの、何となく自分が想像していたのとは
微妙に異なるラインナップ。
ネットを駆使して抜かりのない購入前の下調べ。
ミセスとついていても、なかなか可愛い服もあるし、
初めて洋裁する人にもわかりやすいと評判の
ミセスのスタイルブックを入手してきたはずの
やる気満々の昭和の女が本屋で仕入れてきたその本の表紙には
「ミセスのためのスタイルブック」とサブタイトルのついた
レディブティックと書かれている。
何故だ。
何故、表紙の感じで気づかなかったのだろう、残念すぎるくらいの自分。
ちょっとだけ、チョッとだけ途方にくれる
ワタクシ自身もさることながら、
それぞれの本の企画編集担当の方々だって
「な、何故に、あちらさんと間違えたの?」と、きっとお互いに
首をひねっているだろうと、そう思う。
そういえば、かかさま。
普段はそつなく何でもこなすのに
なんだかとても中途半端なところで
何をどおして、何故、ここで、間違えたん?と
思わず聞いてみたくなるような、
愛くるしい間違いをする人だった気がする。
血は争えぬ。