いつもより、若干早めにご帰宅の香港チャラ男。
今晩こそは、と、テレビにかじり付く昭和の女。
惑の光秀、江の思い、様々な複雑の思いが絡みあう最期の別れ。
昔の人々の人生とは、なんたるや、と、流れる涙を拭いつつ、
居合わせる利三をテレビの前から指差し
「それでもさ、この利三の娘が後に江の息子を育て陰で実権を握るんだから
昔の人々の人生は全く解らないものだよねぇ、
どんな道でも運命に任せるしかないなんて!ねぇ、本当にねぇ~」
「大体さ、ホント、本能寺の変っていうのは色んな意見があるけど
光秀が信長を討ったのは、龍馬暗殺以上に日本歴史上最大の謎なわけよっ!」
涙ながらに次々とチャラ男に語りかける昭和の女。
それに対し「一体全体、キミはどうしたのだ?」と、
言わんばかりに、言葉通り鳩が豆鉄砲食らったような顔で
昭和の女を見返す香港チャラ男。
ちょっ、この反応、どうなのよぉ~!
でもさ、よくよく考えてみると、
殴り合い、殺し合いこそありませんが
昨日までの上司が今日の上司とも限らず
今日まで所属していた会社名が明日には変わっていたり
朝、出勤してみると突然、お疲れさまっ!あなたは今日ラストデーですと言われたり
ある日突然、他所の国から金髪のチームリーダーがやっても来るし
業務で目指していた方向が、昨日と今日でまるっきり変わる、とか、
会社に着いたら、あらら、会社倒産してるよ、とか
今日の条例が明日も有効かどうか何てそんな保証はどこにも無く
そんな事、極々当たり前に行われている香港だもの
状況にあわせ、できる事をこなしつつ
心のどこかで、一国一城の主になる事を常に考え
まさにリアル戦国時代を生きている現代の猛者集団香港ヤン。
ボスが変わるのも、
ボスが変われば政策が変わるのも
生きる為には方向性を変えるのも
話す相手により言葉を自由自在に変えるのも
香港ヤンにとっては何ら極々自然の事だもの
運命に翻弄される人生を
なんというか、一種、達観した感じで
見ていられるってことでしょうか。
注意事項!
香港ヤンも戦国の武士ほど忠誠心を持ち合わせる人々だったのか!?
と、いったら、それはそれ、また、全く別のお話。