香港、食、旅、仕事と時々日本

ごくごく普通の香港の生活。食、旅、仕事、語学と日本、時には経済的自由を考える。他人に厳しく自分に甘くが基本姿勢の毒舌日記、乱暴な言葉もでてきますゆえ自己判断にてご覧くださいませ。旧Hong Kong Days

香港の反政府デモ:改めて「一国二制度」とは何か?与えられた50年。2046年までに香港が目指すべき姿を考えてみる。

にほんブログ村 旅行ブログ 旅行グルメへにほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 海外生活ブログ 香港情報へ

8月11日(日)、残念ながら香港は大いに荒れました。

翌8月12日(月)

世界で8番目に利用者が多いとされる香港赤鱲角空港は

午後から一時全便欠航という事態までに発展。

香港、どうなっていくのかな?

にほんブログ村 旅行ブログ 香港旅行へ 

 

(注意事項: この先、不謹慎な表現が沢山出てきます。自己判断でおすすみ下さい。こちらは政治、経済、思想などの専門知識を持ち合わせない香港在住女の偏見に満ちた毒舌日記となっております。ご了承下さい。)

雨傘革命の頃に記載していた↑ ↑この注意事項ね

まさか、また使う日が来るなんて思わなかったわよ。

 

さて、2ヶ月以上前から引き続き続行中の香港での反政府デモ。

今、何が起こっているかという部分に関しては

プロアマ問わずたくさんの情報があると思うので

他の皆さまの発信を参考していただくとして。

今日はね、改めて「香港とは何か」とか

「一国二制度」とかそんなことを考えてみようかな。

 

「今日はね」と言っても、

昨日今日考えてたということでもないのだけれど

雨傘革命頃からかな、感じる温度差

どことどこの温度差かというとそれもまた抽象的で

うまく説明できないのだけれど色々なところに存在する温度差ね。

うまく説明できないということは自分でも解っていたことなので

あまり触れずにきたけれど、

香港人と香港人が殴り合い、公共物を破壊し、街に火を放ち、

秩序は乱れ、催涙弾や胡椒弾が日々登場し、

日に日に姿を変えてゆく香港を見ていると

まぁ、今の気持ちを残しておいてもいいかなぁ〜と思い至ったわけです。

何だかね、もう、香港、

引き返せないところに足かけているように感じたのですよ。

デモ隊は崖の下に落ちていることに気がついていない、そんな心境。

このザワザワする自分の心境が間違っていればそれが一番良いのだけれど。

 

 

さてさて、本日のお題、

改めて「一国二制度」とは何か?

1997年から2046年までの50年間(残り28年)で

香港が目指すべき姿を考えてみる。

なんだか似非香港評論家みたいになってきたわよね。

 

まず、状況整理。

本日2019年8月12日現在の香港って

中国の1つの地域「香港」という市ですわね。

「香港」という国はない。

ここの部分を勘違いされている日本の方が時々いらっしゃるようですが

中国の1つの都市ですね。

だから今回の件「台湾」という括りと並べるのは

(事情がわかっていて台湾に繋がる話をするのは別としてね)少し違うと思うのよ。

中国、日本、アメリカ、台湾と並んでも香港はそのラインでなくて

細かいことを端折って乱暴かつランダムに挙げれば

浦安市、札幌市、別府市、上海市、オーランド市、メルボルン市、香港市

みたいなそのライン。

中国の1つの市ではあるのですが、とりあえず今は

中国本体とは若干体制が異なり

英国植民地時代の体制であった資本主義、民主主義体制などで

現在の生活自体は日本と似た感じ。

違法抗議活動などがなければ特に危険を感じることもなければ

不自由を感じることもない。

それが約束されているのが返還から50年間、2046年まで。

では1997年以前の香港が民主主義だったのかというと、はて?

民主主義だったかしら?

英国の植民地生活だもの、

英国様のとり仕切るアジアの1つの都市だったわけですよね。

でもほら英国様のやることだもの、政治は自分らが握るけど

ビジネスは香港や他の国の皆様もどうぞ、

どんどん自由にやっちゃってください!

という、そんな感じですかね、簡単にいうと。

さすが見せかけだけはうまく取り繕う英国様だわよ。

当時の香港は国民一人一人が主役になり国を作って行くという

民主主義の世界ではなく、どちらかというと、

極端な話、働きバチ的立ち位置かしら。

働きバチ的立ち位置なのですが、

そんな感覚は日常的には全く感じさせないの、それが英国様のやり方ですよ。

ちょっと前置きが長くなってしまいましたね。

でも英国領時代の香港が民主主義だったという風に解釈されている

香港在住日本人の方もいらっしゃるようで

この部分はね、ちょっと触れといたほうがいいかなと思ったの。

 

はい、改めまして、本日のお題。

「一国二制度」とは何か?

これはね、我らが日本の外務省「香港の中国返還Q&A」を推薦。

香港の中国返還Q&A

www.mofa.go.jp

一国二制度を解説しているサイトは山のようにあるけど

やはりここは王道のわが日本の外務省サイトをね、

まずはご覧いただくのがいいんじゃないかと思います。

外務省サイト:

香港の中国返還Q&A

このQ&Aの問3に「一国両制」(一国二制度)とはなんですか?

という質問と回答がありますね。

一つの国(中国)の中で、二つの制度(社会主義と資本主義)が併存して実施されることをいいます。

から始まる文に続き詳細が書かれています。

その詳細は直接ご覧いただくとして

一国二制度ってね、経済制度の約束をしてはあるけど

政治制度の約束はもともと含まれていないのですよね。

この辺りも、香港との付き合いが15年くらいの方は

あまりご存知ない方も多いかも。

返還前から住んでいる人は、結構話題にもなったし

返還前と返還後の違いなどに関して情報交換したり

資料漁ったりしたからご存知の方も多いかな、とも思う。

 

それにしてもこのQ&A、今、改めて読み返してみるとなかなか興味深い。

香港の中国返還Q&A

個人的に目が行くQは最後から2番目の

問103「大砲はなくなりますか」ってのが好きだわね。

このQ&Aを作成した方だって、

2019年3月にまさかエクセルシオールが閉館するなんて

想像だにしなかったでございましょう。

 

ちょっとちょっと、話がずれてしまいます。

先を急ぎましょう。

 

さて、だいたい

「香港」とは何かとか

「一国二制度」とは何かとか

 何となく、わかったような気がする。

 

では、ここで改めて

一国二制度とか、約束された50年とか

2046年の香港の姿とか考えてみる。

 

自分はね、いつも、思うんですね。

今、我々は貴重な50年の中に生きている。

自分たちに出来るのは、中国とうまくバランスを保ちつつ

2048年の世界に香港がなるべく今の形に近い香港で残って居れる

その道筋をつけること。

2047年っていうのはね、世界が注目するからね。

自分としては2048年のその後の世界に香港があるかどうか、

その部分が気になるところ。

どうにか「香港」というその地域を残していきたい、そう思う。

 

この我々が生きている50年ってどんな時間かといったら

自分の解釈っていうのはもしかしたら

世の中の多くの人と異なる解釈かもしれない。

この50年ってね、

英国スタイルをそのまま続けていいよ、変えないよ

という文字通りの約束というものではないと思うんだ。

そういう文字通りの約束ではなくて

誤解を恐れずに言えば

中国から与えられた50年間という試用期間、そんな感じ。

ほら、香港の会社ではだいたい入社時3ヶ月とか1ヶ月とか

試用期間があるでしょ、その50年版よね。

新入社員の方は試用期間中に会社に慣れつつ

自分の得意部分をアピールしつつ、その3ヶ月の間に

自分が会社にどれだけ役立つかを示して行く。

(実際のところ、香港の場合、試用期間中に見切りをつけてやめて行く強者も多いですけどね

それはまた別のお話)

会社側は新入社員が会社にとって価値あるものかどうかを測って行く。

残すか、否か。

1997年に中国に返還された香港。

中国からしてみると

「香港君、歓迎するよ。君は新入社員だし、

中国とイギリスは全くシステムが異なるから

まぁ、少しずつ慣れていってくれたまえ。

とりあえずは毎日の生活ね、

それは特に変更なくそのまま続けてもらって

必要に応じてこちらから指示も出しますわ」

そんな感じじゃないかと思うのですね。

 

何をそんな一方的な!と思うかもしれないけれど

でもそれが中国だから。

 

だから2046年までに香港は中国にとって

なくてはならない存在でいることがとても重要だと思う。

中国にとってなくてはならない存在の香港でいるというのが重要なのであって

中国にとってあってもなくてもあまり変わらない場所ならば

中国が「香港特別行政区」というものを

2046年以降も保っていく必要性は何もない。

かつての香港であれば金融の自由さや地の利を武器に

その存在価値を武器に中国と程よいバランスでうまくやっていく道を

模索する道もあっただろうけど、

香港発で香港がここまで荒れた今はどうかな。

 

 

50年変わらずの約束事があるだろう!

基本法があるだろう!

香港は香港だろう!

と、言いたいのはわかる。

言いたいのはわかるけど

(君らの様子にもよるが)50年変えないよ!

君らのために特別に基本法作ったよ!(仕切るのは我々だがな)

香港は香港だよ!(上海も深センも結構金稼げるようになったもんだ)

そんな風に目に見えないカッコ内的注釈は常にある。

だって、それが中国だもの。

そして泣いても笑っても香港は中国の1つの都市だ。

現在進行中の香港での一国二制度のテストケースが

中国の望むように進まなければ

「あぁ〜、やっぱ、これ駄目だ。

失敗、失敗、ちょっと仕切り直し!」

そんなことだってやろうと思えばできるだろうと思えるのが中国だから

今の香港の動きを見ている私はハラハラするよ。

 

そんなこと言ったって基本法があるじゃん!

そんなこと言ったって50年不変の約束があるじゃん!

そういう声もあるかもしれませんが

そんな約束事はあってないようなもの、それも中国。

自分はそう思うから香港の皆さんには

今日、明日だけのことではなくて

2046年の香港の姿、2047年6月30日、7月1日の香港の形というのを

具体的にイメージして行動して欲しいと思うのです。

 

雨傘革命の時にも言ったけど2046年って

我々40代後半の人はもうこの世にいないか

少なくともビジネスの一線から退いていると思う。

そんな中、香港の人々が誰に頼るのでもなく

それぞれ自力で生活できている姿があるというのがとても

大切なことのように思う。

 

中国って凄いんだ。

良くも悪くも実行力があるんだよね。

立ち退き作業を短期間で強行したり

イスラム系飲食店で必需のアラビア文字を排除させたり

民主化ないまま上海、深セン、その他の都市を香港以上の稼ぎにしたし

国民に対しての無茶振りも凄い。

そんな中でも有上政策、有下対策。

国の無茶振りの中、それでも中国の多くの人々は頑張って生きている。

中国政府のやり方を支持するつもりはないけれど

中国の中で生きていくには、やはり対策も必要だ。

 

反政府デモに参加する人

参加はしないけどデモ隊頑張れ、負けるなと応援する人

違法抗議活動に参加する人、しない人、人それぞれ。

人それぞれでもちろん良いのだけれど

2046年、2047年の香港の形というものをイメージしないまま

香港という場所をよく理解しないまま

一国二制度の約束事の内容もあまりよくわからないまま

違法行為を続け、政府の警告を無視して抗議行動を続けている人々に

通りすがりついでに

デモ隊頑張れ、諦めるなと声を掛けている人がいるとするのなら

あまりにも無責任すぎると、そう思う。

デモ隊頑張れ、諦めるな、民主化、民主化、応援してます!

そうした声を心の支えの1つとして抗議行動を続け、

2047年の世界で「香港」という場所が

単なる土地名だけのものになるとしたら、

その代償はあまりにも大きすぎるよ。

もちろんその逆もあるかもしれないわけで、

2047年に過去を振り返った時

「今、香港SARがあるのは2019年の抗議行動のおかげだよね」

と思う時がくるかもしれない。

そればかりは、わからない。

 

 

一国二制度の仕組みを知りたい方にはこちらの記事もおすすめ。

香港ポスト(2011年8月11日 no. 1339):

古今香港〜いまさら聞けない香港の「仕組み」

映画「2046」のタイトルの意味は?〜一国二制度の仕組み

www.hkpost.com.hk

 

自分自身の行動が香港の80後、90後の人生を狂わせる

ミスリードに繋がらないか?

2047年の世界に

今とあまり変わらない香港特別行政区という形で残っていけることを

日々願い、毎日を過ごしていきたいなと、そう思うのでございます。

 

 

雨傘革命の頃のつぶやきはこちらなど。 

hongkonghongkong.hatenablog.com

 

hongkonghongkong.hatenablog.com

 

にほんブログ村 旅行ブログ 香港旅行へにほんブログ村 株ブログ 投資信託へ にほんブログ村 海外生活ブログ 香港情報へ