MTR(地下鉄)荃湾線の終点、荃湾駅から
陸橋づたいにトコトコ、とことこ10分強くらいでしょうか。
これ、このまま歩いてて大丈夫かしら?
この陸橋、何だか関係なさそうなビルに繋がってる感じだけど……
と、ちょっと不安になった頃、
進行方向左手、道路の向こうにあるそのビルが
The Mills(南豐紗廠)。
この辺りに詳しくない方が地下鉄駅を降りて、地上に出てしまうと
ほぼ確実に迷うと思うので、駅から歩く人は陸橋をひたすら進むのがおすすめ。
The Millsに行ったのは今年2020年1月の上旬。
CHAT Winter Programme2019で開催されていたのは
Sudo Reiko: Making NUNO Textiles
須藤玲子:”布"之作業
Centre for Heritage Arts & Textile : Sudo Reiko: Making NUNO Textiles
布やアパレル系の知識というものはほとんどないので、
その布の素晴らしさや、鯉のぼりが作り出す空間の価値というのは
自分自身はよくわからないのですが、そんな私が
この展示会でものすごく感動したものが上映されていたビデオ。
日本の工場で、まさに職人の手によって紡ぎ出される布。
滋賀、群馬、山梨、山形にある家族経営の工場で布が誕生するその様子は
何ていうのだろう、私の拙い語彙力の中では
「神がかっていた」という安っぽい言葉しか思い浮かばないけど
世界の中の一流品は、こうした個人企業の経験と技術に
支えられているということも少なくないということを
改めて気づかせてくれるとても感動的なビデオでした。
日本の繊維業界は協力してこのビデオを世界中に発信するべきだわっ!
と叫びたくなるくらい、多くの人に見てもらいたいと思う
ドキュメンタリーショートムービーでした。
あのビデオ、もう一度見たいなと思って動画を色々調べてみたけれど
残念ながら今の所見つけることが出来なかったのですが
こちら(↓)の動画内で少しだけ紹介されていました。(13:44〜)
Centre for Heritage, Arts and Textile MILL6CHAT (2020年5月19日)
Sudo Reiko: Making NUNO Textiles
紹介によるとRhizomatiksの齋藤氏により制作されたよう。
あの影像、また見る機会があるの良いのだけれど。
The Millsのカフェなどの様子は多くの方がブログにアップされていると思うので
ここでは特に触れませんが、
こんな感じで開放的な場所があったり
写真撮影している方々もチラホラいらしたので、
若い人々の間では撮影スポットになっているのかも。
NUNO展示会の一部。江戸時代の布パターン。
こちらは南豐紗廠の歴史。
懐かしい製品が沢山展示されていた。
香港との付き合いが、この10年くらいの方々であれば
「ああ、これこれ香港だよね」って感じなのかな、多分。
1990年代半ばくらいまでの香港をご存知の方であれば
ちょっとシンミリしちゃうかも。
好むと好まざるとにかかわらず香港が選んで進んだ道。
かつてこの香港で生み出されていたここに並ぶ品々を見て
これまでの色々なことが頭を駆け巡り、あろうことか
涙が浮かんでしまった。
香港は、どこに向かってゆくのだろう。