香港、食、旅、仕事と時々日本

ごくごく普通の香港の生活。食、旅、仕事、語学と日本、時には経済的自由を考える。他人に厳しく自分に甘くが基本姿勢の毒舌日記、乱暴な言葉もでてきますゆえ自己判断にてご覧くださいませ。旧Hong Kong Days

香港ヤンが抱える複雑な思い

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昨日辺りから、やっとお野菜の値段、若干下がってきましたね。

まぁ、まぁ、まぁ、まぁ、目玉が飛び出るとはこの事で

我が家、このところ、野菜といえば大根と人参と

旧正月前から家にあった玉ねぎくらいしか食べておらず、

今日、久しぶりにガイランなどを買ってまいりました。

一本、一本、大事に大事に噛み締めながら味わいたいと思います。

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(注意事項: この先、不謹慎な表現が沢山出てきます。自己判断でおすすみ下さい。

こちらは政治、経済、思想などの専門知識を持ち合わせない香港在住女の

偏見に満ちた毒舌日記となっております。ご了承下さい。)



さて。

たまには、まじめな話でも書いてみようかな。


そう遠くない将来、というより、極めて近い将来

領展絡みの件を原因とした市民の不満さなどが爆発し

過激なデモや暴動に発展するのではないかと心配している。

旧正月中に屯門の良景邨で起こった衝突も元はといえば

この領展絡み。

関連記事: 2016年2月10日Apple daily: 良景邨「管理員」又發惡 記者爆頭4人傷


香港に住む多くの日本人の方々にとって、あまり馴染みの無いであろう

この「領展」とは、長くなるので詳しい説明はここではバッサリ割愛しますが

簡単にお伝えすると「街市」の運営を香港政府から委託された組織とでも言いましょうか。

その「領展」もしくはその下請けである組織が運営している街市のうち、

日本の方でも利用している、または聞いたことがある街市というのは

「楽富街市」が有名でしょうか。

この「領展」関連で近々新たな衝突が起こるかもしれないと何故、私が

心配するかというと、日本のメディアや香港を語る日本の経済学者のお話には

あまり出てこない下記のような出来事が日々香港では起こっているからなのですね。

立場新聞:【領展任由建華玩哂?】


ー大まかな流れー

傘下の豚肉業者を優先、かつ他社とは全く異なる好条件やテナント料で賃貸契約。

それに不満をもった他テナントの怒りがついに爆発し営業ストライキ。

すると街市運営側は(賃貸契約の無い)傘下の果物屋さんや野菜屋さんを手配する

という流れに発展。






さて、前置きが長くなりました。



香港、このところ、落ち着きが無い。

かつてと比べ、一部の人々は暴力的主張を行うようになった。

暴力を振るわないまでも、

これまでの整然とした正規の手続きを踏んだデモとは異なる方法で

個々の主張をする人々も増えた。

こうした香港人の主張の変化を日本のメディアや日本の経済学者の方々は

「急速に広がった貧富の格差が要因」と語られる事が多い気がする。

「急速に広がった貧富の格差」という事の裏づけや

統計はプロの方々にお任せする事として、

私個人はこの数年香港を見ていて、もう少し違う角度から感じる事がある。

それは、何と言うのだろう、

「自分の領域を侵される事に対する憤り、苦しみ」とでも表す事ができるかな。

香港には「貧富の差」というのは以前もあった、多分。

とてつもないお金持ちと、

そうではない人たち。その両方が存在してた。多分。

でも、その区分や棲み分けは、キッチリできていて

お金持ちはお金持ちの世界に住み

そうでない人々はそうでない世界に住み

お互いに干渉する事無く、うまくバランスをとって暮らしていたし

お金持ちはお金持ちの世界の中で更にお金を増やしたし

お金持ちでない人々は、自分たちの世界で

小さいながらも店を持ち、ビジネスをし、

一国一城の主である人も多かった。そして

お金持ちという存在は、そうでない人々の目標でもあった。多分。

そうやって、お互いにうまくバランスよくやってきたはずなのに

お金持ちはお金持ちの世界でビジネスをするだけでは

物足りなくなったのか、それともそこではもうお金を増やせなくなったのか

お金持ちでない人々の世界に、ジワリ、ジワリと少しずつやってきて

でもそれは、確実にやってきて、

個人店舗であった場所にも、どんどんどんどん詰め寄ってきて、

個人店舗はどんどんどんどん押しやられて行ったし

そして、それは今も現在進行形。




香港は日本のようにお金に対するネガティブなイメージはないし

お金持ちは、そうでない人々から「いつかは自分も金持ちになってやる!」と

目標にされる事はあっても、ネタミウラミの対象になるという事は

基本、あまり無いように思う。

超一流企業のサラリーマン社長より、小さくても

自分もいつかは一国一城の主になってやる!という

本当に根っからの商売人気質というか、熱い人々というか

もちろん、昨今、人々の考えというものに変化はあるとは思いますが、

それでも、自分の足で頑張って踏ん張ってビジネスしている人々を

後ろ指差して笑ったり、ましてや馬鹿にする事なんて無い

そんな熱い人々だと思う。

それなのに、そんな風に商売に対して真剣な人々なのに、

お金持ち区域ではない場所で、一生懸命働いて、いつかは自分も金持ちに!と

そういう思いで毎日、毎日頑張って働いてきたのに、この数年、

そうした場所にまで侵略してきた、お金持ちの人々。

働く場所、かつては自分の城であった場所にジワジワと詰め寄ってくる

アチラの人々、もう、個人の力量では、どうにもならないところに来ている。

その、個人の力ではどうにも太刀打ちできないその苛立ちや

それを許している政府の不甲斐なさに、きっと怒りを感じているんじゃないかなと

そう思うわけです。





だから、何と言うんだろう、世の大先生の指摘する

「急速に広がった貧富の格差が要因」というのとは、若干自分は角度が違うかな。

貧富の格差というよりも、富になる機会や場所を失われつつあるその事に

対する憤りというのかな。

まぁ、そうは言っても結果、確実に貧富の格差は広がり

金持ちは更に金持ちになる一方で

我が家は、豆苗などという高級野菜は夢のまた夢、

住めば住むほどヒモジク感じる、

今日を生き延びる事を目標とした何ともスリリングな毎日で、

以前はもうちょっとは心と懐にゆとりがあったように思うのも事実。

香港中からため息や怒りが聞こえてくるはずでございますよ、そりゃ。

金は天下の回り物って誰が言ったんですかね、

幾ら待っても回って来やしないじゃないのっ!




そうそう、冒頭で領展の事を書いたついでですので、

今、政府が進めている街市昇級ですが、領展運営のすべてが悪いかと聞かれたら

必ずしもそうではないとおもうのですね。

古くから街市内で店舗運営をしている個人商店では

横柄な態度でいかにも「こっちは売ってやってるんだ、ゴチャゴチャ言ってないで

とっとと金払いなっ!!」という商売の仕方をしていた店舗も多かったけど、

領展運営となって、全く新しいテナントさんや、大手企業の街市店舗のような

位置づけの店も出始めて、古くから店舗を持っていた方々の横柄な接客態度と

いうのは劇的に変化をしているとも感じる。




とは言っても、長らく商売してきた人が店舗を閉めるときには

こちらも寂しいもので、街市といえどテナントの入れ替わりというのは、

今のご時勢、本当にどうしようもないのだろうかと思いを巡らせつつ

見かけない新しいテナントさんがオープンした折には

こちらも、ご挨拶がてら

「ああぁぁ、豆腐、タッカイナァ~、あなた方になってから

ホント、高くなったわぁ~、あぁ、高い、高いっ!!」と、

イチイチ、お声がけするようにしております。(←はじめの一回だけよ)




さてさてさてさて、今日は珍しく、

好きでも嫌いでもない、自分としては

何の思い入れもない香港について少し語ってみましたが、

自分が知っている香港なんて、四半世紀弱という、香港の歴史から見たら

ほんの短い期間であるわけで、そんな自分に香港ヤンが抱える複雑な思いというのは

簡単に語れるはずも無く、いずれにしても

市民の怒りが爆発する前に、香港政府にはどうにか穏やかな着地点を

見つけてもらいたいものでございます。




タラタラと色々綴ってみましたが、

実際のところ、昔からある街市の個人店や

田舎のちっさな店舗でつつましい商売していそうに見える人々が

実は驚くほどのお金持ち(←かもしれない)というのも、コレ、

香港の面白いところであるわけでございますね。

その辺のお話はまた、機会があれば。

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